日本では有名な織姫と彦星の七夕物語ですが、原作が存在します!それが『御伽草子』に収録されている物語になっています。
3人の娘を持つ男のもとに大蛇がやってきて、命と引き換えに娘を嫁に差し出すよう要求をされる。
末娘のみが、父親のために進んで自分が嫁ぐ意志を見せる。
娘が大蛇のもとに行くと、大蛇から美しい男が出てきて、“天稚彦”と名乗り、二人は幸せに暮らすようになる。
ある日天稚彦は「天に用事がある」の言い天に帰るがしばらくたっても帰ってこない、
娘は自ら天に向かうが、天稚彦の父親は実は鬼であり、娘と天稚彦の関係をよく思わなかった。
父親は娘に無理難題をけしかけるが、それを次々とこなしたため、二人の仲を認め、年に一回合うことを許可する。
娘と天稚彦の間に爪を打ち付けると、大水が表れて、それが天の川になり、二人を隔てるが、7月7の夜だけ会うことができるのである。
ギリシャの天の河にちなんだ物語は『こと座のベガ』です。
美しい琴を奏でる青年「オルフェウス」と、妖精「エウリディケ」は恋に落ちて結婚する。
幸せに暮らしていた二人だが、エウリディケは誤って毒蛇を踏み、噛まれて死んでしまう。
悲しみに暮れていたオルフェウスだが、あの世の大王プルトーンの元に行き、生き返らせることを決意!
道中、様々な番人がそれを阻むが、オルフェウスの琴を聞くとみな黙って通してくれて、遂に大王プルトーンの元へ着く。
琴を弾きながらプルトーンに懇願することで、最初は拒んでいたプルトーンも、「地上に戻るまでに妻のほうを振り返ってはいけない」という条件の元、一度だけエウリディケを地上に生き返らせるチャンスを与える。
しかし、オルフェウスはうっかり振り返ってしまったため、エウリディケはあの世に戻され、生き返らせるチャンスを失ってしまう悲しみにくれるオルフェウスは酒に酔った女に、琴を弾く命令されるも、それに逆らい殺されてしまう。
大神ゼウスは、オルフェウスの琴を星空に掲げて、それを「こと座」とした。
中国の物語が一番星座に寄り添っていて、日本の七夕のモデルにもなったお話です。(諸説あり)
地上に天女が水浴びに来る。ある若者は、長年連れ添っている年老いた牛の助言に従い、その天女の天衣を盗むことで、天に帰れなくして自分の嫁にすることになる。
やがて二人に子宝に恵まれ、幸せに暮らす。ある日、上帝が天女がいつまでも帰らないことに怒り、神兵を遣わせて天女を連れ帰る。若者が天に昇るために、牛は自らの命を断って自分の皮を使わせる。
若者は牛の皮をまとい、子どもと一緒に天女の後を追うが、追いつこうとするところで二人の間に川ができ、どんどん距離が離されていく。若者とこどもはその川の水を柄杓ですくい始める。
この健気な姿に感動した上帝は、1年の間、7月7日だけ合うことを許可した。ちなみに、天の川に隔てられた牽牛星と織女星がそれぞれ若者と天女で、牽牛星の隣に並ぶ小さな星が、二人のこどもだと言われている。
フィンランドにも天の河に関するお話は存在して、一番ロマンティックな内容だと思います。
仲睦まじい夫婦「ズラミス」と「サラミ」は、死後、天に昇り星になるが、距離がとても離れていたため、会うことはできなかった。
お互いに会いたい一心で、空を浮かぶ星屑をすくっては集めてを1000年繰り返し、やがて光の橋を完成させた。
二人はお互い光の橋を渡り、シリウスの星のところで再開することが出来た。
この光の橋が天の川である。