2002年、9月8日。フィリピンのマニラ市内病院にて生まれる。生まれた瞬間からその少女は常人ではあり得ないほどのカリスマオーラを纏っていったと当時の担当の助産師は語った。彼女が眠る新生児室には彼女を一眼見るために常に人の出入りが絶えなかったという。中には彼女を我が養子にと声をあげる者もいたようだ。
2004年 彼女は両親のもとで蝶よ花よと育てられ愛らしさがさらに際立っていた。ご近所で彼女の存在を知らないものはいないだろう。母と散歩しているときは道ゆく人々に挨拶をされ、それに健気に返す様子が見られる。しかし母はフィリピン人、父は日本人。日本で暮らした方が彼女にとっていいだろうと判断した両親は引っ越しを決意する。近所の人々は彼女が引っ越すことを大変残念がり、飛び立つ前日には送別会が開かれた。彼女はもらったプレゼントを持ち日本へと旅立っていった。
2008年4月 彼女は神奈川県の自然に囲まれた田舎ですくすくと暮らしていくうちに六歳になった。小学校に入学をする。彼女は大変天真爛漫であり活発、人見知りをしない子であった。そして聡明であったため成績は優秀。彼女が学校のプリンセスと呼ばれるにはそう時間はかからなかった。彼女が行く先々にはレッドカーペットが敷かれ、彼女が退屈しないようにと毎日のようにお遊戯会が行われた。彼女の周りの人々は彼女を崇拝し敬愛していた。
11月 彼女に弟ができる。彼女の弟も彼女同様に生まれた瞬間から光り輝いており病院にて一眼置かれる存在となっていた。