第一章

キリスト教は、イエス・キリスト(『イエス』はヤハウェ(ヤフア)が救うという意味
で、『キリスト』は油注がれたという意味)を旧約聖書で預言された罪のない人間である
と受け入れる宗教であり、自らをキリスト教徒と呼ぶすべての人々を包含するものであ
る。キリスト教には、その歴史的経緯から様々な教派、教団、組織、信条が存在している。
キリスト教は普遍的な宗教(世界宗教)であり、特定の民族や人種あるいは限定された
身分や社会階層のためのものではなく、すべての人に向けられたものである。

キリスト教のメッセージ

キリスト教のメッセージは、イエス・キリストが旧約聖書に預言された救いであると教え
ている。新約聖書ではパウロは次のように述べる:「時が満ちると、神は、その御子を女
から、しかも律法のもとに生まれた者としてお遣わしになりました。それは、律法の支配
下にある者を購い出して、わたしたちを神の子となさるためでした」。イエスは神がいか
なる方であるかをまったく新しい方法で、それまでのイスラエル人の理解をより深く掘り下
げて示したのであり、イエスは神ヤハウェを自分の父として示した、という。

キリスト教の中心メッセージは「神の国」の教えである。イエスはこの象徴的な表現を豊
かな内容で満たした。「神の国」は、人間の歴史の中に、そして歴史の終りにおいても神
が現存なさることを教えている。また、「神の国」は、神が人間と一つになってくれたこ
とも教えている。

第二章

キリスト教の天使の階級

神秘思想家偽ディオニシウス・アレオ
パギタは著作『天上位階論』の中で天
上の位階(ヒエラルキア)について記
述し、天上の存在者を三階層の三つ組
に配した。新プラトン主義的な存在の
階層構造に沿った、聖なる秩序の思想
である。これが後の神学者にも引用さ
れ、天使の「天軍九隊」または「九歌
隊」として広く知られるようになっ
た。

第七天使

キリスト教、ユダヤ教を中心として
「七大天使」と言う名でくくられる天
使の一団が存在する。先に挙げた四大
天使は殆ど共通だが、この四人に重要
な天使を三人付け加えたものが七大天
使となる。様々な書物にその名が出て
くるが、それぞれ別の三人の名前が出
てくるところが興味深い。代表的なエ
ノク書の中では「レミエル」「ラグエ
ル」「ゼラキエル」とされている。